Column

コラム

2024.04.18

いざっ出動!「桜 防衛隊」 

 今年は暖冬により休眠打破(※)が阻害され、熊谷市の桜の開花は昨年より14日遅い3月31日でした。例年になく遅れた桜の開花を、皆様待ち侘びたことでしょう。

 さて、暖かくなり桜の蕾が大きく膨らむ頃から桜の木の中で動き出すものがあります。 桜を害する特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」の幼虫と、我々「桜 防衛隊」です。

 クビアカツヤカミキリの被害は年々拡大・拡散しています。クビアカツヤカミキリ の生態は6月中旬頃成虫が桜から脱出し、交尾⇒産卵⇒孵化⇒幼虫(樹体内に食入し2~3年間、内樹皮や辺材部を食べ成長)⇒蛹⇒成虫となります。特に幼虫による食害が桜に深刻な影響を与えます。熊谷市内の桜でも幼虫が食害した排泄物と木屑の混合物「フラス」の排出樹が非常に多くなり被害が拡大・拡散しています。被害を受けた桜を放置すると、樹幹の辺材部を食い荒らされ導管の空洞化が生じて通水が阻害され 、枯死に向かいます。

 日本の春の風物詩で、記念樹としても植えられている大切な桜を護るために我々「桜 防衛隊」は、被害樹の幼虫駆除!健全樹への孵化幼虫の食入防止!を任務としています。ご自宅の桜や梅、花桃などのバラ科樹木について、ご心配な方は、弊社緑化担当へご相談ください。


それでは、本日も大切な桜を護るために、「桜 防衛隊」出動!!


(※)休眠打破とは
 桜の蕾(花芽)は冬に入る前にいったん休眠し成長を止めます。そして冬の寒さによって再び目を覚まし (休眠打破)、そこから春の暖かさによって成長していく。つまり、冬にある程度寒くなることが早い開花 には必要(10℃以下の冬の低温の時期を40~50日過ごすこと)で、今年は冬の寒さが不十分で「休眠打破」がうまく行われなかったことが、開花が遅れた原因の一つと言われています。